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執筆者の写真すけきよ

黄金暗号12お疲れさまでした

改めましてスペースにお越しくださった方、通販を利用してくださった方、ゆるプチオンリーを企画してくださったトミーさん、そしてすべての尾杉の民のみなさま、ありがとうございました!!!!

ほんとうにすごくあたたかい空間で、ほわほわしているうちに終わってて、上質な夢を見ているかのようでした。

夢だけど、夢じゃなかった!(ト〇ロのあれ)

いや100%現実なんだけど、なんというか世の中にはこんなに素敵な場所もあるんだなあと胸にじんわりと心地よさが広がっていく。そんな気持ちでした。

実は会場に行くまで不安でいっぱいでした。

脱稿して、イベント準備に追われ、それがひと段落したイベント三日前くらいから唐突に不安な気持ちに支配されましたね。たぶんイベントに向けて全速力で走ってきて、ふと立ち止まったら自分の立ち位置がひどく不安定な場所なんじゃないかと、はたと足元に視線が向いてしまったんでしょうね。

実際にはふたを開けてみないとわからないのがイベントなんですが(特にこんなご時世ですから)一度、心の中に泥が流れ込むともう止まらないんですよ。おそらく泥をせき止めることは、今、自分が不安に思っている気持ちを否定してしまう。私は自分のこの負の感情ですら否定したくない。そんな歪みの渦に身を投げることで、最悪の未来から心を守ろうとしていたのかもしれません。

もう同人誌なんて出したくない。

もしかしたらすごくみじめな気持ちになるかもしれないことを続けなくてもいいのではないか。

「ただ自分が書きたいから書く」だけでは済まされないところまでに手を出してしまった後悔に苛まれながら、新宿駅から東京テレポート行の電車に乗り込みました。

駅に停車するたび、車内にはおそらく、と思われる女性だけになっていくのを眺めていたら、なんだか同じ目的を持った人たちの中に自分も含まれている。そんな一種の一体感のようなものを感じ始めていました。まことに勝手ながら。

そして東京テレポート駅に到着すると、どの車両の乗車口からもきっと同じ場所に向かうであろう人たちの波ができていました。

いつもなら電車を降りた直後は右に行けばいいのか左に進めばいいのかであたりを見回す私も、この時だけは「この波に乗れば間違いない」と、立ち止まることなく足を進めていました。

そうしているうちにそれまでの不安はどこかに消えていました。

それどころかわくわくした気持ちに変わっていました。ほんとうに不思議なもので、自分の本が手に取ってもらえるかどうかの不安よりも、今この瞬間、同士と共に歩を進めている。という事実だけで私は非日常を楽しんでいたわけです。

なくさないように、忘れないようにと届いてすぐに財布に入れておいたサークルチケット。これがあれば私もあの場所に入る権利がある。どんなに心細く、スペースではひとりだとしても、私の財布の中には私の居場所が確保されたチケットが入っている。

そりゃイベントにサークル参加を申し込めばチケットは手に入れられるわけですが、ひとつの場所を目指して歩く彼女らの中に自分も向かっている。それだけでなんだか心強くなってきてんですね。めちゃくちゃ単純だな。

そしてBホールに入った瞬間、目に飛びこんできたのは尾杉ゆるプチオンリーの大きなパネル。わけのわからない感動がぐっと湧き上がって思わず涙が出そうになりました(私はヤシマ作戦でも泣く女なので私の泣く基準は自分でもちょっとズレてるのかもとは思ってる)

「ああ、この一体感がほしくて私は一心不乱にキーボードを打っていたのかもしれない」

実はめちゃくちゃ楽しみにしてたやんけ自分。

今になってそう思いました。

ほんとうはすごく楽しみにしてたんだ。

自分の好きを披露できる場所を。同じ好きを共有できる場所を。

楽しみにしていた分の落差に怯えていたけど、やっぱり本心には勝てなかった。そんな感じでした。

で、実際にスペースに到着しご挨拶などしているだけで「いや全然不安に思うことなかったじゃん?」と、始まる前からそんな居心地のいい雰囲気にあふれていました。

開場してからもスペースに立ち寄ってくださった方、すごく嬉しいことばをくださった方。なんかもうこれ死ぬの?こんないいことが私の身に起こって大丈夫なんか?世界の幸せバランス崩れない?

なんて心配する暇もなく私の心はずっと満たされ続けていました。

いやまあぶっちゃけて言うと、イベントに出るのはこれが最後かなあなんて考えてたんですよ。

でも2019年に初めて都内のイベントに参加した時も「冥途の土産に一度くらいイベントに参加してみるか~」と思いながら、帰宅してすぐ次のイベントに申し込んでいたくらいなんで、自分の決意にはあまり信用を置いていませんでしたね。

あんだけ不安になりながらも「でもなんやかんやでやめないだろこいつ」なんて思ってる自分もいました。

すでに新刊の原稿を入稿し終えたあとにシリーズものを書き始めていたので、まだ書きたいものがある限りはやりたいな~と思います。

てかあんな楽しい思いしたらやめられんだろ。

それもこれも、会場にいた尾杉の民のみなさんのおかげだと心から思います。

同人誌ってひとりで作ってるけど、ひとりじゃないんだね。

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