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執筆者の写真すけきよ

Web再録をビビってやめた話



二年前、杉尾で活動していた際に一冊だけ同人誌を発行した。

その作中に某国の密入国船がどうたらという描写があるのだが、さすがにこの時代にもうそんな事件はないだろうと、国名を濁さずに書いた。日本海沿岸に住んでいた父親からも話は聞いたことがあったし、未だにその地域の海沿いには『怪しい船を見つけたら〇〇番』という看板もあるが、当時の名残りで設置されたままになっている程度に眺めていた。

そして件の本を頒布してから三ヶ月くらい経った頃だ。会社の食堂に置いてあるテレビから、某国の密入国船を本国の巡視船が発見したというニュースが流れていたのだ。

この令和の時代にまだそんなことがあるのかと驚きつつ、国名を濁さず書いたことをちょっと後悔した。なので再々販どころかWeb再録もしないと決めた。いくらごく一部の人の目にしか止まらない同人誌であっても、フィクションと明記してあっても、未だ作中のような行為が行われているのならやばいぞ。そうです、正直ビビってしまったのだ。それに北の某国というのがまた私のノミの心臓を萎縮させた。

加えて裏社会記事を専門にしているライターさんが、過去にその国についてを書いたところ、知人から「しばらくは駅のホームの黄色い線からは離れた方がいい」との忠告を受けた話を聞き、ますますビビる。


それから二年経ち、国名を架空のものに修正すればWeb再録しても大丈夫なのでは?と思いついた矢先である。

YouTubeの2ちゃんねる名作集みたいな動画を見ていた。ある事件の真犯人をねらーが解決に導いたという内容の動画なのだが、そこで出てくる祭りの風習と、件の同人誌に登場する風習が同じだったのだ。

たとえこの話が釣りだったとしてもそれぐらいなら、まあ誰でも思いつく設定だよな。と思ったが、いかんせん真犯人を暴いたというくらいなので、殺人事件なのだ。

釣りではないならニュースになっていると思うだろうが、どうやら事件は狭い集落で起き、警察もグルになって隠蔽されたらしいのだ。

そうなると真実なのか釣りなのかを調べることもできない。だが仮に真実だったとしたら、大筋は違えど祭りにおいての奇妙な風習が一致し、同じく殺人事件に至ったという恐ろしい偶然に背筋が寒くなった。

前半まではしぶにアップしているものの、ここに並べた偶然の一致はほとんど同人誌に書かれているものなので、これはもうお蔵入りにして本を手にした人と私だけの秘密にしよう。と改めて決意したのだった。


ちなみにマトリの話をあげた二時間後に、ピエー〇瀧がシャブで捕まったニュースが流れた時は「タイミング!!!」と叫びそうになったのでした。


全然関係ないけど、この前人生相談イベントの配信見てたら、相談文の「刺青をカッターで剥がし」って部分に「ゴールデンカムイみたいですね」って言ってて笑った。

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