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  • 執筆者の写真すけきよ

容疑者

というタイトルで冒頭まで書いたのだが、どうにもパソコン上にクラウドのメモ帳が展開されない。

なのでここにコピペすることは叶わなかった。今日は。

あいふぉんのメモ帳に打ち込む執筆作業は、いつでもどこでも思いついたらできる反面、パソコンと同期させるのが手間。いや、もっといいサービスがあるんだろうけど、どれもイマイチ使いこなせなかった。

しかも前にも書いたが、このブログ、アプリまであるくせにあいふぉんから直打ちできないのだ。め、めんどくせ~。

まあ、長文を書くのはPCからの方が楽なのでいいんだけども。

ついったーのように、思いついたことを思いついたときに書ける仕様だったらなーと、思わなくはない。


・・・と、ここまで打っていたら無事同期できていたので、冒頭だけ置いていきます。

なぜなら昨日、夜中に書きなぐって、力尽きたからだ。

当分は原稿作業なので、完成するのは来年の春近くかなと。そもそも最近は原稿どころかキングだむにどハマリしてしまい、ゲオから借りてきては仕事の休憩時間を使っても読みあさる始末。ここ二週間くらい原稿をしていない気がする。

入校もそうだが、無駄に拘ってしまうおしながきやポスター、サクカ差し替え、表紙、版組み・・・と、いくらイベントが三月だからといってやることはたくさんある。

今回、アクキーも持っていけたらと思う。おもう・・・。


ではここから、いつ仕上がるか未定の「容疑者」冒頭です。カップリング要素なない予定。

書いてて思ったけど、やっぱ殺人事件がするする書けるんだよな~。なんでか知らんけど。事件性があると情景が脳内にするする流れていくんだよね。映像として。



『容疑者』

時計の秒針が進むにつれ、焦りは諦めに変わっていった。

一秒進むごとに、今日という日がが終わる。午前0時を目前にし、新たな日付けを迎えようと、秒針は人々の感情に左右されることなく時を刻んでいく。それは残酷だった。越えてはいけない、終わってはいけない一日が、終わろうとしている瞬間。時を止める手段もなく、残り僅かな時間が過ぎる。

誰もが最善を尽くした。だが、間に合わなかった。

ー 時効。

2005年に起こった、中学生誘拐事件が、時効を迎えた。

十五年前。東京都江戸川区で中学二年生の男子が行方不明になった。

家族や学校関係者の証言から、少年に家出の動機はなかったとされ、当初は誘拐事件として捜査が開始された。

だが、身代金の要求はなく、仮に誘拐だったとしても犯人に心当たりもない。近隣の不審者情報もなかったため捜査は困難を極めた。

そして事件から半年後、少年の自宅から2km離れた山林の中で、被害者と思われる遺体が発見された。

遺体の首にはロープの痕があり、遺体は木の下で発見された。

遺体の首にはロープが巻かれ、途切れたロープの端は木の枝からぶら下がっていた。司法解剖の結果、遺体は死後半年ほどと断定。少年は誘拐ではなく、失踪からの自殺。と警察が判断し、捜査本部は解散した。

納得のいかない遺族は誘拐事件としての捜査続行を訴えた。

自殺だったとしても、遺書もなければ動機もない。可能性としては、誘拐の方が大いにあると担当の警察官に捜査の打ち切りを取り消すようにと懇願した。しかし家族の訴えも虚しく、捜査本部が解散した翌年。少年の家に、不審な電話がかかってきた。

「おまえ達は、誘拐犯を知っているはずだ」

相手は受話口の向こうで、それだけを言って一方的に電話を切った。

もちろん被害者家族はこの事をすぐに警察に相談した。だが、事件を知った誰かのいたずらだと、まともに取り合おうとはしなかった。一人の刑事を除いては。

彼は仕事の合間を縫って、独自で調査を再開していた。

まず遺体が自殺ではなかったとしたら、誘拐され、何者かの手によって殺されたことになる。

当時、警部補だった門倉は、付き合いの長い鑑識に遺体の首に巻かれていたロープの再鑑定を個人的に依頼した。

「門倉、俺が見たところ、これは遺体の重みで千切れたとは思えない」

鑑識は、千切れたロープの断面を再鑑定した結果を門倉に告げた。

上の判断を仰がず、個人的な調査に乗った手前、新たな真相がわかったことに、鑑識は苦い顔をしていた。

門倉と鑑識の男は、所轄外の喫茶店で落ち合った。二人がいくら付き合いの長い友人であれど、最後まで捜査打ち切りに反対していたことは、所轄内でも噂が広まっていた。そこで鑑識と二人きりでいるところを関係者に見られたとなれば面倒だ。それに友人の鑑識もただでは済まされない。

門倉は煙草を灰皿の上で揉み消した。そして、テーブルの上に身を乗り出し、声を潜めて話す。

「ってぇことは、誘拐犯が自殺に見せかけて殺したと?」

鑑識は門倉から目を逸らし、コーヒーを口に運んだ。一口飲んで、カップをソーサーに戻す。

「そうとは言いきれないが、自殺の可能性は低い。…と、俺は思う」

門倉は頭を掻きながらテーブルから身体を離し、椅子の背にもたれた。

「やっぱり、失踪じゃあなかったか」

「おまえはどうしてこの事件が自殺じゃないと思ったんだ?遺族に泣きつかれたからか?そんなことしてたら、警察はいくらいたって足りない。この世に未解決事件なんていくつあると思ってんだ」

鑑識は上目遣いで門倉をちらりと見遣ってから、またコーヒーに口をつける。

「そうじゃない。まず自殺する理由が周りからは聞こえてこなかった」

「思春期の子供の考えなんて、俺たち大人の想像の範囲を越えてる」

「じゃああの不審な電話はどうなる」

門倉はもう一度テーブルの上に身を乗り出した。

「それはいたずらだろう。だいたい、家族は心当たりがあるって言ってたのか?誘拐犯に」

鑑識は腕を組んで椅子の背に寄りかかった。もし家族が不審な電話の通りに誘拐犯に心当たりがあるのなら、行方不明になった時に警察に言うだろう。だがそれもなかった。仮に心当たりがあるにも関わらず黙っていたということは、警察にも知られたくない関係性の人物であり、そうであれば電話のことは伏せるはずだ。家族はほんとうに誘拐犯にまったくの心当たりがないからこそ、改めて門倉に相談したのだ。…そう考えるのが妥当だ。鑑識が言いたいのはわかる。しかし門倉はどうしても気になっていた。

不審な電話の内容が、脅迫ではなく、ましてや少年が遺体で発見されたあとにかかってきたというところだ。それも失踪、自殺とかたがついたにも関わらず、事件性を仄めかす内容だったからだ。

もしこれが誘拐事件だとすれば、犯人は自殺と決着がついたことに胸を撫で下ろすだろう。では電話をかけてきたのは一体誰なのか。いたずらにしては、どうも引っかかる。家族でも犯人でもない、別の第三者が、なぜ事件をぶり返そうとしたのか。それも家族が犯人を知っているなどと…。

しかし門倉の奮闘虚しく、尾形百之助、当時十四歳、行方不明事件は時効を迎えた。

その日の朝、門倉の管轄する江戸川区の警察署に、ひとりの男が現れた。

男は受付で、十五年前の尾形百之助、行方不明事件を担当していた刑事に用があると伝えた。

連絡を受けた門倉は、まだ警部止まりで、刑事課に所属していた。警察署のロビーに現れた門倉は息が止まりかけた。十五年の歳月が流れようと、中学生の容姿はほぼ完成している。顔に特徴があれば尚更だ。

門倉を呼び寄せたのは、十五年前、行方不明になり死亡した、尾形百之助にそっくりな男だった。



あと画像は持っていけそうなアクキーデザイン。このばきっとした色をどう出すか苦戦している。アクキーにしようか他のグッズにしようかはまだ未定。




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