ハーメルンの嘘つき男
- すけきよ
- 2019年9月4日
- 読了時間: 3分
更新日:2019年10月14日
田舎でもないけど都会というほどではない。
ショッピングモールはあるし、公共交通機関も不便ではない。
だが若者は未来を案じていた。
就職先がないのだ。
田舎でも都会でもない町は、居心地が良かった。それゆえに、この町に生まれ、留まる人間が多かった。高校を卒業して、就職ないし進学をし、そのまま地元に根を下ろす。そんな若者が、今は町の経済の中心を担っている。
福祉もそこそこ充実しているため、老人も元気だ。
つまり、人口が安定している一方で、働き口という席がなかなか空かないのだ。
若者たちは恐れた。
一見、理想的に見えるこの町に、自分たちの居場所がないことを。
そこへ、ある男が現れた。
男は東京から来たと言った。
たしかに、地元ではあまり見かけない、都会の雰囲気を身にまとっている。着ている服も、それが良いのか悪いのかの判断がつかないくらい、地元民からすれば突飛なセンスだった。地元のショッピングモール内のテナントでは、まず見かけないブランド。男はいつも、上下黒の服だった。サーカスのピエロのような、だぼついたズボンに、首元が広くあいたカットソーなど。だがそれらは、シンプルだが安くはないだろうと誰もが見て取れる品だった。
男は尾形と名乗った。
ほんとうかどうかは、誰も気にもとめなかった。
尾形は、将来の不安の種を抱えながら、それが芽吹いてしまうことを恐れていた若者たちに、声をかけた。ごく自然に。昔から地元に住んでいた知り合いかのように。
ショッピングモールのフードコートで。あるときは駅前の居酒屋チェーン店のカウンターで。何気ない世間話から切り出し、最後には必ずこう言うのだ。
「東京にいけば、いくらでも就職先があると」
まるで、この町の若者が、皆、将来定職に就けるかどうかの不安を、人知れず抱えていることを見透かしていたかのように。
だが、尾形に話しかけられた若者たちは、尾形が偶然その話を切り出してきたと思っていた。話の流れで、じゃあ将来はこの町で就職するのかと。川を下っていったら当然のように海に出た。それぐらい、誰も尾形が町中の若者を東京へ斡旋するために近づいたとは察することができなかった。
と、いうような現代版「ハーメルンの笛吹き男」を尾形にやらせてみたいなという予告?プロット?です。
ハーメルンの笛吹き男読んだことないんだけど。
この動画(放送)を聞いて思いつきました。
(ここ、ハイパーリンク貼れないのね)
画像はまったく関係のない尾ルミナティ。
ステッカーにして頒布したかったけど、たぶんこのジャンルだと怒られそうだな。

アイコンサイズなので自由に使ってくれ。つって使う人いるわけないんだけど。
元手かからない支部ファくでアクキーでも作って出しとこうかな。
個人的にはめっちゃ気に入ってる。
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