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『ギフト』sgo

  • 執筆者の写真: すけきよ
    すけきよ
  • 2019年6月16日
  • 読了時間: 2分

ー作戦命令、総員第一種戦闘配備。

 作戦コード、Q64。索敵終了。地理的難易度判定不可。敵認識判定、難易度S。

 生存確率、0.999%。

 90秒後、作戦開始。尚、本アナウンスをもって通信を終了。総員のご武運を祈る。

「総員つっても俺ら二人しかいねぇだろ」

杉元は無機質な声に悪態をついた。声の主には一切の感情はない。ただ演算システムからたたき出された最も精度の高い作戦を伝えているだけにすぎない。

「機械の言うことなんかいちいちあてにすんな」

作戦開始まで60秒を切った。壁を背にして、杉元と尾形はいつでも飛び出せるよう、片膝をついて並んでいる。1秒の狂いも許されない。作戦開始時間を告げるアラートと同時に、二人は両サイドから壁の向こう側に飛び出していく。

あと30秒。

尾形は腕時計に視線を落としている。杉元は体感で時間を計る。

「なあ」

尾形は腕時計を目にしたまま、杉元の声に答える気はなさそうだ。一瞬だけ、止まることのない時間の流れが遮られる。

尾形の唇を離れた杉元のそれは、何もなかったかのように大きく息を吐いた。緊張が杉元の身体から霧散していく。

とくに意味はない。だがそれは儀式的で、作戦開始30秒を切ったところで、杉元から一方的に送られるギフト。

演算システムの加護はこれで最後らしい。1%にも満たない勝機と判断された。

ゲン担ぎのキスは、理論値を乱す。

作戦開始のアラートが鳴った。

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